ハイタッチは和製英語?high Fiveの正しい意味と語源・返し方解説
海外のスポーツ中継や映画のワンシーンで、歓喜したプレイヤーたちが頭上でパチンと手を合わせる光景はおなじみです。日本人が思わず「ナイス、ハイタッチ!」と口にするこの動作ですが、英語圏では「high five(ハイファイブ)」と呼ぶのが一般的です。
実は「ハイタッチ」は典型的な和製英語であり、海外で「Let's high touch!」と言っても意図が正しく伝わらないケースが少なくありません。本稿では、high fiveの本来の意味や生まれた背景、「Give me five」との決定的な違いから、実生活ですぐに役立つスマートな返し方まで詳しく紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「ハイタッチ」は海外で通じない和製英語であり、英語では「high five」と表現するのが標準。
- 要点2:1977年のMLB試合で誕生したとされ、「5本の指(five)を高く(high)掲げる」動作が語源。
- 要点3:相手から求められた際は、手を合わせて「Yeah!」「Up high!」などと短く返すのが最も自然。
【事実】「ハイタッチ」は海外で通じない?和製英語とhigh fiveの違い
英語の「high five」は、胸より高い位置で互いの手のひらを打ち合わせる動作を指す名詞、あるいはその動作を行う動詞です。日常会話はもちろん、ビジネスでプロジェクトが成功した瞬間やスポーツの現場でも頻繁に登場します。
一方、日本で定着している「ハイタッチ(high touch)」は、1970年代から1980年代にかけて日本国内で造られた和製英語です。英語圏で「high touch」と言うと、「人間味のある手厚いサポート」や「直接的な人的接触(ハイタッチ・ハイテクの対比)」といったビジネス・マーケティング用語として解釈され、手のひらを合わせる動作とは結びつきません。
スポーツ中継や海外の友人との交流において、相手と喜びを分かち合いたい時は「ハイタッチ」ではなく「high five」を使う必要があります。
【起源と歴史】high fiveの語源・由来とは?1977年MLBの決定的瞬間
なぜ手を合わせる動作を「high five」と呼ぶのか、その語源には興味深い歴史があります。「five」は人間の手の指5本を意味しており、「高く掲げた5本の指」を合わせることからこの名がつきました。
このジェスチャーが生まれた瞬間については諸説あるものの、最も有力な定説とされているのが1977年10月2日に行われたMLB(米大リーグ)のレギュラーシーズン最終戦です。ロサンゼルス・ドジャースのダスティ・ベイカー選手がシーズン30本目のホームランを放ちホームベースに戻った際、次に打席に立つチームメイトのグレン・バーク選手が頭上に高く右手を掲げて出迎えました。ベイカー選手がどう反応すべきか咄嗟に考え、その手に自分の手のひらを思い切り叩きつけたのが、世界初のhigh fiveと記録されています。
それ以前のアメリカ、特に1920年代から1940年代のアフリカ系アメリカ人カルチャーやジャズシーンでは、腰の低い位置で手を合わせる「low five(ローファイブ)」と呼ばれる挨拶が一般的でした。このlow fiveを頭上に持ち上げたことが、現代へと続くhigh fiveの決定的なルーツです。
「Give me five」との違いは?呼びかけと動作の使い分けを整理
high fiveと並んでよく耳にするのが「Give me five」という表現です。両者の違いは、言葉の機能(名詞・動詞か、呼びかけのフレーズか)にあります。
「Give me five」は直訳すると「あなたの5本の指(手)を私にちょうだい」となり、「手を合わせよう!」「ハイタッチしよう!」と相手に促す決まり文句です。親しい間柄での挨拶や、何か良い出来事があった瞬間の合図として使われます。
- high five:動作そのものを表す(例:He gave me a high five. / Let's high-five.)
- Give me five:相手に動作を促す掛け声(例:Great job! Give me five!)
なお、さらにくだけたスラングとして「Give me some skin(手を出せよ)」や、指だけでなく両手で合わせる「Give me ten(両手でハイタッチしよう)」といった派生表現も存在します。
【実践】high fiveを求められたときのスマートな返し方・返答フレーズ
海外の友人や同僚から「Give me five!」や「High five!」と手を掲げられた場合、どう返すのがスマートなのでしょうか。基本的には笑顔で相手の手のひらを叩きつつ、短いポジティブな一言を返すだけで十分です。
定番の返答フレーズ:
- 「Yeah!」「Woohoo!」(最もシンプルで感情が伝わる歓声)
- 「Up high!」(「高くね!」と調子を合わせる掛け声)
- 「Awesome!」「Good job!」(「最高だね!」「よくやった!」と相手を称える言葉)
- 「Right back at you!」(「そっちこそね!」と相手の健闘を返す表現)
アメリカの子どもたちの間では、高い位置で手を合わせ(Up high)、低い位置に手を出し(Down low)、相手が叩こうとした瞬間に手を引っ込めて「Too slow!(遅いよ!)」とからかう定番の言葉遊びもあります。大人同士でも冗談交じりのくだけた空気で使われることがあるため、知っておくと会話の幅が広がります。
スラングとしてのhigh fiveと類語・言い換え表現
high fiveは物理的な動作にとどまらず、テキストチャットやSNSのスラングとしても広く使われています。メッセージ上で「Virtual high five!(画面越しにハイタッチ!)」と送ることで、遠く離れた相手の成果を称賛する意味になります。
また、欧米カルチャーにはhigh fiveと似た役割を持つ多様なハンドサインが存在します。
- Fist bump(フィストバンプ):互いの拳を軽く突き合わせる動作。スポーツ界や感染症対策を意識した近年でも主流の挨拶。
- Dap(ダップ):握手から手のひらを滑らせて指を引っ掛けたり、肩をぶつけ合ったりする親密な挨拶。
- Chest bump(チェストバンプ):歓喜のあまり空中で胸同士を激しくぶつけ合う動作。主にバスケットボールやサッカーなどの熱狂的なシーンで見られる。
- Slap hands(スラップハンズ):手のひらを軽く叩き合う動作の別称。
皮肉交じりのネットスラングとして「High five to the face with a chair(椅子で顔面にハイタッチ=強烈なツッコミや怒りの表現)」といったブラックジョーク的な言い回しも存在します。
【例文付き】日常会話やスポーツで使えるhigh fiveの英語表現と使い方
high fiveを使いこなすために、日常会話やスポーツシーンでそのまま使える実践的な例文を紹介します。
名詞としての使い方(give a high five など):
- The coach gave everyone a high five after the victory.
(試合に勝利した後、コーチは全員とハイタッチを交わした。) - Can I get a high five for finishing this huge project?
(この大型プロジェクトをやり切ったから、誰かハイタッチしてくれない?)
動詞としての使い方(high-five someone):
- They smiled and high-fived each other on the stage.
(彼らは笑顔でステージ上で互いに手を打ち合わせた。) - Don't leave me hanging! High-five me!
(手を出したまま放置しないで!ハイタッチしてよ!)
※「leave someone hanging」は、ハイタッチしようと手を挙げている相手を無視して気まずい思いをさせる状態を指す非常によく使われる慣用表現です。
【high five 意味】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「ハイタッチ」と言っても海外では全く通じませんか?
A1:身振り手振りを交えれば文脈で察してもらえることもありますが、基本的には通じません。英語の「high touch」は「直接的な対人ケア」などを意味する全く別の言葉です。英語圏では必ず「high five」と言い換えましょう。
Q2:high fiveの表記はハイフンが必要ですか?
A2:名詞として使う場合は「high five」とスペースを空けるのが一般的です。一方、「high-five the players」のように動詞として用いる場合は、単語の結びつきを明確にするためにハイフンを入れた「high-five」と表記されることが多くなります。
Q3:「Low five」は現代でも使われていますか?
A3:使われています。腰のあたりの低い位置で手のひらを合わせる動作で、high fiveよりもクールで落ち着いた挨拶や、子どもと目線を合わせて挨拶する際などに見られます。
まとめ:文化とニュアンスを掴んで自然なコミュニケーションを
日本で当たり前のように使われている「ハイタッチ」ですが、一歩海外に出れば「high five」が正しい共通言語となります。5本の指を掲げて相手の成功や喜びを共有するこのハンドサインには、スポーツの歴史やストリートカルチャーの変遷が色濃く反映されています。
海外の友人との交流やビジネスの現場で「Give me five!」と手を差し出されたら、迷わず笑顔で手を打ち返し、ポジティブな言葉を投げかけてみてください。言葉の背景にある文化を理解することで、コミュニケーションは一段と豊かで自然なものへと変わります。 (出典: high five 意味(Yahoo!ニュース))