ソロモン72柱一覧完全解説|序列・階級・能力と創作の元ネタ徹底解剖
17世紀頃から伝わる西洋魔導書(グリモワール)の代表格『レメゲトン』第一書「ゴエティア」。古代イスラエルのソロモン王が神から授かった知恵と指輪によって使役したとされる72柱の悪魔たちは、中世オカルティズムの金字塔として今なお異彩を放ち続けています。
2026年現在のポップカルチャーにおいても、『原神』の魔神名設定や『メギド72』、『Fate/Grand Order』など、数多のメガヒットゲームやアニメの根幹モチーフとして熱烈な支持を集めています。しかし、創作で描かれる華やかな姿と、原典に記された本来の序列、階級、奇怪な異形、危険極まりない司る能力の真相は、意外なほど知られていません。序列1位バアルから72位アンドロマリウスまで、全72柱の全貌を体系的に紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:魔導書『レメゲトン』に記された72柱は「王」「公爵」「侯爵」など7つの悪魔階級に厳格に分類され、序列=戦闘力ではなく固有の役割と統率軍団数を持つ。
- 要点2:『原神』のパイモンやバアル(雷電将軍)、モラクス(鍾離)をはじめ、多くの現代ゲーム作品が原典の属性や伝承を綿密にサンプリングしている。
- 要点3:召喚時の安全を守る「印章(シジル)」の概念や四方位の支配者など、オカルト史・心理学の視点から見ることで創作の解像度が飛躍的に向上する。
【完全網羅】ソロモン72柱一覧表|序列・悪魔階級・統括軍団と能力
魔導書『ゴエティア』に記載されているソロモン72柱を、序列順に完全整理しました。各悪魔が持つ階級(王・公爵・侯爵・君主・伯爵・総裁・騎士)、率いる悪魔軍団の規模、そして召喚者にもたらすとされる固有の能力を一覧で確認できます。
| 序列・悪魔名 | 主階級・統率軍団 | 司る主な能力・権能 | 現代創作・カルチャーでの主な受容 |
|---|---|---|---|
| 1. バアル(Bael) | 王(66軍団) | 人を不可視にする、知恵を授ける | 『原神』雷電将軍の魔神名、古代神信仰の元祖 |
| 2. アガレス(Agares) | 公爵(31軍団) | 逃亡者の捕縛、言語の教授、地震の誘発 | ワニに乗る老人の姿で描かれる古参悪魔 |
| 3. ウァサゴ(Vassago) | 君主(26軍団) | 過去・未来の透視、隠された物の発見 | 温厚な性格とされ、探索系ゲームで多用 |
| 4. ガミジン(Gamigin) | 侯爵(30軍団) | 死者の魂の召喚、学問の伝授 | 小さな馬やロバの姿で降臨する死霊術師 |
| 5. マルバス(Marbas) | 総裁(36軍団) | 疫病の治癒・発生、機械技術の知識 | 『原神』ナヒーダの魔神名「ブエル」と並ぶ治癒系 |
| 6. ヴァレファール(Valefor) | 公爵(10軍団) | 盗みの指南、人を盗賊へ誘惑 | ライオン頭の盗賊神、怪盗系作品に影響 |
| 7. アモン(Amon) | 侯爵(40軍団) | 過去と未来の調停、不和の修復 | エジプト太陽神アメンと同根の強力な悪魔 |
| 8. バルバトス(Barbatos) | 公爵(30軍団) | 動物の声の理解、隠された財宝の開示 | 『原神』風神ウェンティの魔神名として極めて有名 |
| 9. パイモン(Paimon) | 王(200軍団) | 万般の学術と深奥な秘術の伝授 | ルシファーの忠臣。『原神』の看板キャラと同名 |
| 10. ブエル(Buer) | 総裁(50軍団) | 草薬学、哲学、精神疾患の治療 | 五本の脚がヒトデ状に生えた特異なビジュアル |
| 11〜20位 ガシソン/シトリー/ベレト/レラジェ/エリゴス/ゼパル/ボティス/バティン/サレオス/プルソン | 王・公爵・伯爵・総裁 | 恋愛感情の操作、軍事戦略、鉱石の知識、未来予知 | シトリー(愛欲)、ベレト(85軍団統率の王)など |
| 21〜30位 モラクス/イポス/アイム/ナベリウス/グラシャ=ラボラス/ブネ/ロノウェ/ベリト/アスタロト/フォルネウス | 公爵・伯爵・侯爵 | 天文学、修辞学、死者の富、殺人術の付与 | 『原神』岩神鍾離(モラクス)、大公爵アスタロト |
| 31〜40位 フォラス/アスモデウス/ガープ/フルフル/マルコシアス/ストラス/フェニックス/ハルファス/マルファス/ラウム | 王・君主・侯爵・伯爵 | 要塞建築、不滅の不死鳥、欲望支配、天文学 | 七つの大罪「色欲」の王アスモデウス(32位) |
| 41〜50位 フォカロル/ヴェパル/サブナック/シャックス/ヴィネ/ビフロンス/ウヴァル/ハーゲンティ/クロケル/フルカス | 公爵・侯爵・伯爵・騎士 | 風水害の使役、航海術、錬金術(金属変成) | 『原神』水神フリーナ(フォカロル)、唯一の騎士フルカス |
| 51〜60位 バラム/アロセス/カイム/ムルムル/オロバス/グレモリー/オセ/アミィ/オリアス/ヴァプラ | 王・公爵・君主・総裁 | 鳥類の言語、詐術の看破、他者を変身させる狂気 | 美女の姿で現れるグレモリー、誠実なオロバス |
| 61〜72位 ザガン/ヴォラク/アンドラス/フラウロス/アンドレアルフス/キマリス/アムドゥスキアス/ベリアル/デカラビア/セーレ/ダンタリオン/アンドロマリウス | 王・公爵・侯爵・伯爵 | 音楽の統御、瞬時の空間移動、盗難品の回収と処罰 | 堕天使の筆頭格ベリアル(68位)、追跡者アンドロマリウス |
全72柱の悪魔は、各々が明確に異なる権能を持っています。戦力的な優劣だけでなく、「学術の教授」「感情の操作」「物理的破壊」「財宝や真理の探求」といった、召喚者が何を求めるかによって呼び出される対象が徹底的に分化されていた点が、グリモワール体系の大きな特徴です。

魔導書『レメゲトン』ゴエティアの伝承とソロモン王の悪魔召喚
ソロモン72柱の出典である『レメゲトン(Lemegeton Clavicula Salomonis)』は、中世後期から17世紀にかけて集大成された魔導書です。その第1章にあたる「ゴエティア(Goetia)」には、古代イスラエル第3代の王・ソロモンが、ヤハウェ神から授かった指輪(ソロモンの指輪)を使い、72柱の悪魔を真鍮の壺に封じ込めて使役したという伝説が記されています。
ソロモン王はこれら強大な悪魔の力を借りてエルサレム神殿を建立させ、国家の繁栄を極めたと伝えられます。しかし、王の死後に壺が開けられたことで悪魔たちは世界中へと飛び去り、それぞれの旧領地や支配領域へと戻っていきました。
ゴエティアに記された儀式魔術において、最も重視されたのが「印章(シジル / Sigil)」です。シジルは悪魔ごとに固有の幾何学的紋様を持ち、召喚者はこの印章を羊皮紙や金属板に刻んで胸に掲げることで、悪魔の悪意や精神支配から身を守り、絶対的な服従を強いることができたとされています。印章を持たずに悪魔を呼び出すことは、即座に術者の死や破滅を意味する禁忌中の禁忌でした。
【実態検証】『原神』『メギド72』から紐解くサブカルチャー受容のリアル
日本国内におけるソロモン72柱の認知度は、2010年代後半から2020年代半ばにかけて劇的な跳ね上がりを見せました。その牽引役となったのが、HoYoverseが手掛けるオープンワールドRPG『原神』と、DeNAが展開したスマートフォンRPG『メギド72』です。
『原神』に登場する神々(七神や上位存在)には、ほぼ例外なくゴエティアの悪魔名が「魔神名」として割り振られています。
- 風神ウェンティ:第8位の公爵「バルバトス」
- 岩神鍾離:第21位の伯爵/総裁「モラクス」
- 雷神雷電将軍(影・眞):第1位の王「バアル」、および「バアルゼブブ」
- 草神ナヒーダ:第10位の総裁「ブエル」
- 水神フリーナ:第41位の公爵「フォカロル」
- 主人公の案内役パイモン:第9位の偉大なる王「パイモン」
ファンダム内では、「なぜこの神にこの悪魔名が割り当てられたのか」を巡る神話考証が極めて活発に行われています。例えば、バルバトスが「動物や鳥の鳴き声を理解させる」伝承を持つことが吟遊詩人としての設定に直結していたり、ブエルが「あらゆる病を癒やす草薬の知識を持つ」ことが草神の治癒・知恵の属性と完璧に合致していたりと、制作陣の深い元ネタ研究がユーザーを熱狂させる構造になっています。
一方、『メギド72』は72柱の悪魔全員をキャラクター化し、それぞれの伝承をベースにした独自の世界観と戦略性豊かなバトルシステムを構築。Twitter(現X)やゲームコミュニティでは「72柱の原典プロフィールを調べるのが日課になった」というプレイヤーが続出するなど、学術的な悪魔学が一般エンタメとして定着した決定的な契機となりました。

最強悪魔ランキングの虚実|バアル・パイモン・ベリアル・アスモデウスの真価
ネット上の検索や掲示板で頻繁に議論されるのが「ソロモン72柱の最強ランキング」です。しかし、中世のオカルト文献を学術的に精査すると、「序列=強さの順位ではない」という明白な事実に行き当たります。
ゴエティアの序列番号は、召喚の便宜や文献編纂時の配置に過ぎず、戦闘力の格付けではありません。ただし、悪魔が帯びている「階級(爵位)」と「統率する軍団数(レギオン)」、さらに神学上の出自を見ることで、別格の力を持つ上位悪魔を客観的に抽出できます。
| 悪魔名(序列) | 階級・統率軍団数 | 神話的出自と格の高さ | 実質的脅威度評価 |
|---|---|---|---|
| バアル(1位) | 王(66軍団) | カナン神話の最高神バアル。東方を統べる至高の存在 | 最上位:神としての格と権威において最強クラス |
| パイモン(9位) | 王(200軍団) | 魔王ルシファーに最も忠実。軍団数は72柱中最多の200 | 最上位:組織力・知識力において圧倒的筆頭 |
| アスモデウス(32位) | 王(72軍団) | 旧約聖書外典『トビト記』にも登場する大悪魔。色欲の主 | 最上位:キリスト教圏での知名度・害悪度は別格 |
| ベリアル(68位) | 王(80軍団) | ルシファーの次に創られたとされ、自尊心の権化 | 最上位:堕天使としての出自が極めて古く強大 |
| アスタロト(29位) | 公爵(40軍団) | 古代メソポタミアの女神イシュタル/アシュトレトが起源 | 上位:地獄の三巨頭(ベルゼブブ・ルシファー・アスタロト)の一角 |
実質的な「最強」を論じる場合、バアル、パイモン、アスモデウス、ベリアルの4柱の「王(King)」に、地獄の高官である公爵アスタロトを加えた陣容が、歴史的・魔術体系的なトップグループであると結論付けられます。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|印章(シジル)と悪魔階級の罠
ソロモン72柱を巡る情報の中には、現代のネット文化で歪められた誤解が数多く存在します。安全かつ正しく楽しむために知っておくべき3つの盲点を解説します。
誤解1:印章(シジル)は「キャラクターの紋章」ではない
ゲームのグッズやアクセサリーとしてシジルのデザインが人気を博していますが、中世オカルティズムにおけるシジルは、術者が悪魔の猛毒のような悪意を遮断し、精神的隷属を強いるための「霊的防壁兼制御コード」でした。オカルト儀式においてシジルを描き誤ることは「制御不能な獣の檻の鍵を開けること」と同義とされており、単なるシンボルマーク以上の重い宗教史的意味を持ちます。
誤解2:悪魔階級(公爵や侯爵)は人間社会の貴族制度と無関係
ゴエティアの階級は、16世紀の魔術師ヨハン・ヴァイヤーが著した『悪魔の偽王国』などで整理されたもので、天界の階級制度(天使九階級)の裏返しとして設定されました。例えば「総裁(President)」は現代の大統領ではなく「座を主宰するもの」を指し、「騎士(Knight)」はフルカスただ1柱のみに与えられた特殊階級です。
誤解3:キリスト教による「異教の神々の悪魔化」という歴史的背景
72柱の多くは、最初から悪魔だったわけではありません。バアル(フェニキアの嵐の神)、アモン(エジプトの太陽神)、アスタロト(豊穣の女神イシュタル)のように、キリスト教が地中海世界へ普及する過程で、布教の障害となった土着の偉大な古代神たちが「邪悪な悪魔」へと貶められた歴史があります。彼らの強大な力は、かつて一帯の主神として崇められていた記憶の裏返しなのです。
【プロの結論】神話象徴学とサブカルチャー受容から見る安全な向き合い方
精神分析学者カール・ユングは、悪魔や怪物のイメージを「人間の無意識下に眠る抑圧された影(シャドウ)」の象徴であると説きました。ソロモン72柱が司る能力――富、色欲、破壊、未来予知、不可視化――は、まさに人間が抱く普遍的な欲望そのものです。
現代のファンタジー作品が72柱を巧みに取り入れるのは、人間の根源的な欲望や恐怖を象徴するキャラクターとして、これ以上なく完成された元型(アーキタイプ)だからです。オカルティズムに過度に傾倒して非科学的な恐怖に囚われるのではなく、「数千年の歴史の中で人類が紡いできた壮大な象徴体系」として物語や設定の美しさを味わうことこそが、最も健全で知的な楽しみ方と言えます。
| 向き合っている人のタイプ | 推奨されるアプローチ・楽しみ方 | 避けるべきリスク・注意点 |
|---|---|---|
| ゲーム・アニメのファン層 | 元ネタの伝承とキャラクター設定の差分を比較し、制作陣の意図を考察する | 創作の設定を原典のオカルト伝承と完全に混同してしまうこと |
| 神話・宗教学・歴史好き | 古代メソポタミア・カナン神話から中世グリモワールへの変遷史を追究する | 単一の文献(レメゲトンのみ)を絶対視し、歴史的背景を無視すること |
| オカルト・実証に関心がある層 | 心理学的象徴論や文化人類学のフレームワークを通じて文献を分析する | 危険な魔術儀式や降霊術を安易に模倣し、精神的変調をきたすこと |

【ソロモン 72 柱 一覧】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ソロモン72柱の序列1位と72位の悪魔は誰ですか?
A1:序列1位は、人を不可視にし知恵を与える東方の王「バアル(Bael)」です。序列72位は、盗まれた金品を取り戻し悪人を処罰する正義の執行者的な伯爵「アンドロマリウス(Andromalius)」です。
Q2:72柱の中で最も位が高い「王(King)」の階級には誰がいますか?
A2:ゴエティアにおいて「王」の爵位を持つ悪魔は、バアル(1位)、パイモン(9位)、ベレト(13位)、プルソン(20位)、アスモデウス(32位)、ヴィネ(45位/伯爵兼任)、バラム(51位)、ザガン(61位/総裁兼任)、ベリアル(68位)の9柱です。
Q3:『原神』の非常食こと「パイモン」の元ネタとなった悪魔の特徴は?
A3:序列9位の王パイモンは、ヒトコブラクダに跨り、輝く冠を戴いた美しい男性(または女性的な顔立ち)の姿で現れます。ルシファーに最も忠実で、200もの軍団を率いる大悪魔であり、科学、芸術、深奥な秘密のすべてを知悉しているとされています。
Q4:ソロモン72柱の印章(シジル)をタトゥーやイラストで描いても呪われませんか?
A4:オカルト伝承上のシジルは悪魔を服従・拘束するための防壁図形であり、現代においてデザインとして楽しむ分に実害はありません。ただし、宗教的・魔術的な起源を持つ図形であるため、その歴史的文脈を理解した上でリスペクトを持って扱うことが推奨されます。
まとめ:古典魔術の知恵を現代の創作鑑賞に活かす視点
古代イスラエルの伝説から中世のグリモワール、そして現代のゲームやアニメへと受け継がれてきたソロモン72柱。彼らは単なる「おどろおどろしい悪魔」ではなく、古代の人々が抱いた自然への畏怖、異教神への敬意と恐怖、そして人間の果てしない欲望が凝縮された壮大な文化遺産です。
序列や階級、印章に込められた本来の意味を知ることで、大好きなゲームのストーリーやキャラクターの言動に隠された真のメッセージが鮮やかに見えてきます。72柱の伝承という深淵な扉を開き、現代カルチャーの奥深い魅力を余すところなく味わい尽くしてください。 (出典: ソロモン 72 柱 一覧(Yahoo!ニュース))