わくわくさんとゴロリの現在|不仲説の真相と最終回に隠された感動秘話
赤い帽子に丸メガネの出で立ちで、身近な素材から魔法のように玩具を生み出していた「わくわくさん」と、隣で愛嬌たっぷりに手伝っていたクマの男の子「ゴロリ」。NHK Eテレの工作番組『つくってあそぼ』は、1990年から2013年までの23年間にわたり、日本中の子どもたちの放課後や朝の時間を彩り続けました。
放送終了から年月が経った2026年現在も、二人の活躍は色あせるどころか、世代を超えたアイコンとして語り継がれています。一方で、ネット上ではまことしやかに囁かれた「不仲説」や、惜しまれつつ幕を閉じた最終回の背景、さらにはゴロリの声を担当した名優との別れなど、画面越しには見えなかった人間ドラマが数多く存在します。長年視聴者を魅了した二人の舞台裏と、現在の歩みを紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ささやかれた「不仲説」は完全な誤解であり、スタジオ内の張り詰めた職人同士のリスペクトが生んだプロフェッショナルな信頼関係だった。
- 要点2:ゴロリの声を務めた名声優・中村秀利さんの逝去と操演スタッフの匠の技が、23年間息の合った奇跡のキャラクター造形を支えていた。
- 要点3:わくわくさんこと久保田雅人さんは2026年現在も全国の工作イベントやYouTubeチャンネルで精力的に活動し、親子2世代を魅了している。
【原点と設定の深層】クマの男の子・ゴロリの年齢設定と誕生秘話
前身番組である『できるかな』のノッポさんとゴン太くんからバトンを受け継ぎ、1990年4月にスタートした『つくってあそぼ』。無口だった前任者たちに対し、「おしゃべりをしながら工作の楽しさを伝える」という新たな試みで始まったこの番組で、主役の二人には緻密なキャラクター設定が施されていました。
わくわくさんの相棒であるゴロリのクマとしての年齢設定は「5歳」。幼稚園の年長クラス前後にあたる男の子という位置づけです。少しやんちゃでお調子者、好奇心旺盛でありながら、実はわくわくさんよりも手先が器用で力持ちというユーモラスなキャラクター造形がなされていました。「わくわくさーん、これどうやって作るの?」とおねだりしつつ、時にはわくわくさんをリードしてしまう絶妙な掛け合いは、当時の子どもたちにとって身近な友達そのものでした。
一方、わくわくさんを演じた俳優の久保田雅人さんは、劇団活動を経てオーディションでこの役を射止めました。トレードマークとなった赤いキャップと黒縁メガネ、黄色いシャツにベストというスタイルは、工作が引き立つ明るい配色と、親しみやすさを徹底的に計算して生み出されたものです。
【舞台裏の真実】「わくわくさんとゴロリ不仲説」はなぜ囁かれ、どう否定されたのか
ネット黎明期から掲示板やSNSで定期的に浮上していたのが、「わくわくさんとゴロリの不仲説」という都市伝説めいた噂でした。「カメラが回っていないところでは口も利かなかった」「裏では険悪なムードだった」といった根拠のない怪情報が、大人になった元視聴者たちの間で面白おかしく拡散された時期があります。
しかし、この噂の真相について、久保田雅人さん自身が後年のインタビューやトーク番組で明確に否定しています。火種となったのは、収録現場における尋常ではない緊張感でした。
工作番組の撮影は、ハサミやカッター、接着剤などを実際に使い、失敗が許されない「ほぼ一発勝負」の連続です。特にテレビ画面越しに子どもの手元を再現する工作はミリ単位の精度が求められ、スタジオ内は常に張り詰めた空気が漂っていました。慣れ合いや馴れ初めを排し、本気で良いものを作るために集中していたプロ同士の現場の空気が、外部の人間には「冷え切った関係」に見違えられてしまったというのが、不仲説の真の背景でした。二人は仲が悪かったのではなく、互いの技術に全幅の信頼を置く「職人同士の戦友」だったのです。
【声優と操演の絆】ゴロリの「中の人」と名優・中村秀利さんが遺した感動の言葉
ゴロリという唯一無二のキャラクターは、二人の卓越した表現者の共同作業によって命を吹き込まれていました。着ぐるみを着て卓越した身体表現と手先の繊細な動きを担った「中の人(操演者)」と、温かみと愛嬌に満ちた声を吹き込んだ声優の中村秀利さんです。
映画『ダイ・ハード』シリーズなどでブルース・ウィリスの吹き替えを務めるなど、重厚な実力派声優として名高い中村さんは、アフレコ現場で操演スタッフの息遣いや手の動きに完璧に言葉をシンクロさせていました。着ぐるみ特有の死角や動きの制限をものともせず、ハサミを使うタイミング一つひとつに「よいしょ、よいしょ」と絶妙なアドリブを重ねていく技術は、まさに職人技でした。
中村さんは2014年に60歳の若さで急逝。その報に接した際、久保田雅人さんは深い悲しみとともに、中村さんへの尽きない感謝を公に語っています。「中村さんがスタジオにいてくれたからこそ、私は23年間、安心してわくわくさんでいられた」。二人がスタジオで交わした言葉や、子どもたちへ注いだ情熱は、今も多くの関係者の胸に刻まれています。
【23年の歴史に幕】『つくってあそぼ』最終回を迎えた本当の理由
2013年3月、日本中のファンに惜しまれながら『つくってあそぼ』は23年間のレギュラー放送に幕を下ろしました。突如の終了発表に、当時は「視聴率の低迷か」「何かトラブルがあったのか」と憶測が飛び交いましたが、番組が最終回を迎えた本当の理由は、Eテレ全体の編成方針と番組が果たした使命の達成にありました。
当時、デジタル技術の普及に伴い、子ども向け教育番組にはタブレット端末やCG、新たなメディア連動を取り入れた次世代の構成が求められていました。NHK側としても、番組開始から23年が経過し、四半世紀近くにわたって手作業のアナログなモノづくりの魅力を伝えきったという判断がありました。
最終回に向けての制作陣の姿勢も極めて誠実でした。特別に感傷的なお別れ回を作るのではなく、最後までいつも通りに楽しく工作を作り、子どもたちに「自分で作って遊ぶ楽しさ」を提示して笑顔で手を振るスタイルを貫いたのです。その引き際の美しさは、今なお教育番組史における名シーンとして語られています。
【2026年現在の活動】久保田雅人さんの今|全国工作イベントとYouTubeでの大反響
番組終了から10年以上が経過した2026年現在、わくわくさんこと久保田雅人さんはどのような日々を過ごしているのでしょうか。結論から言えば、久保田さんの活動エネルギーは当時とまったく変わっていません。
久保田さんは現在、日本全国の幼稚園、保育園、商業施設、市民ホールなどを巡回する工作イベントやトークショーに年間数百本規模で登壇しています。会場には、かつて番組を観て育った20代後半から30代の親世代が、自分の子どもを連れて訪れる「親子二世代」の光景が日常となっています。「昔と全く変わらない軽快な語り口」と「魔法のような紙工作の技」は、生ステージでさらに輝きを増しています。
さらに、公式に展開しているわくわくさんのYouTubeチャンネルも堅調な人気を誇ります。牛乳パックや紙コップ、輪ゴムを使った定番の工作動画だけでなく、大人向けの工作裏話や工作技術の解説など、デジタルプラットフォームを自在に使いこなして新しいファン層を開拓し続けています。還暦を越えてなおトレードマークの赤帽子をかぶり、現場に立ち続けるその姿は、生涯現役の表現者そのものです。
【わくわくさんとゴロリ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ゴロリの年齢やキャラクターの公式設定はどうなっていますか?
A1:ゴロリは「5歳のクマの男の子」という設定です。人間の年齢で言えば幼稚園の年長児程度にあたり、やんちゃで好奇心旺盛ですが、わくわくさんよりも手先が器用で力持ちという一面を持った魅力的な相棒として描かれていました。
Q2:ゴロリの声優だった中村秀利さんは他にどんな作品に出演していましたか?
A2:中村秀利さんは、洋画吹き替えにおいてブルース・ウィリスをはじめとする数々のアクションスターの声を担当した日本を代表する名声優です。アニメ作品や報道番組のナレーションでも幅広く活躍され、その包容力ある声質でゴロリに唯一無二の命を吹き込みました。
Q3:2026年現在、わくわくさん(久保田雅人さん)の工作を直接見られる機会はありますか?
A3:はい、現在も精力的に全国各地のホール、商業施設、教育機関で工作ショーやイベントを開催しています。また、公式YouTubeチャンネルでも身近な材料で作れる工作のアイデア動画が定期的に配信されており、自宅にいながらその技法を学ぶことができます。
まとめ:世代を超えて受け継がれる「モノづくりの魔法」と不滅の絆
身の回りにある空き箱や紙コップが、工夫ひとつで動き出すおもちゃに変わる――。わくわくさんとゴロリが23年間にわたって伝え続けたのは、単なる工作の手順ではなく、「自分の手で新しいものを生み出す喜び」そのものでした。
不仲説という世俗的な噂を吹き飛ばすほどの職人同士の信頼、そして惜しまれながらも美しく役目を果たした最終回。2026年の今、画面の前にいた子どもたちが親となり、今度は我が子と一緒にわくわくさんのステージに足を運んでいます。時代がデジタルへと移り変わっても、ハサミを手にしたときの高揚感と、二人が紡ぎ出した温かな思い出は、これからも色あせることなく受け継がれていきます。 (出典: わくわく さん ゴロリ(Yahoo!ニュース))